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2018年07月31日

日中韓の青少年が互いの歴史を学びあい、未来を語る
東アジア青少年歴史体験キャンプ報告第2弾(7/29~31)

2018年7月29日(日)天気:快晴
 いよいよ今日から本格的な活動の開始です。生徒たちはまだ緊張した面持ちで朝のバスに乗り込みました。
午前中は日中韓3か国の教師がそれぞれ3か国の生徒たちに授業しました。3か国でどんな授業の違いがあるのか、生徒たちは興味津々です。最初は、韓国の教師による「満州国における朝鮮人」についての授業。ワークを巧みに取り入れながら、満州国を朝鮮人側から見てみようという新鮮な内容で、とても興味深い授業でした。次に、中国の教師による授業。一斉講義形式ではありましたが、満州国を3か国の視点で見る授業で、歴史上の出来事がなぜ起こったのかということを冷静に分析しようという内容でした。最後に、日本の教師による日本の歴史教育の現状についての授業。日本の多くの学生がアジア太平洋戦争の事実(例えば、「日本の戦争相手はアメリカだけではなかった」など)を正確に学んでこなかったことを学生に対するアンケート結果によって明らかにしてみせました。3か国ともとても客観的で多様な視点を提供する授業だったことが、とても印象に残りました。
 午後は、3か国の生徒が混ざったグループごとに吉林省博物館を見学しました。展示内容が吉林省の歴史(例:高句麗、渤海、遼、金、清など)に限られていたことと、そもそも立命館宇治では高3でしか中国史は学習しないので、多くの生徒たちにとって非常に難しい内容でした。それでも、生徒たちは少しでも多く知識を得ようとがんばっていました。
 夕食を食べた後、グループごとに3か国の生徒たちが討論を行いました。今日から毎日夕食後に同様の討論時間が設定されます。今日の討論テーマは、「日中韓歴史教育の同じところ、違うところ」です。最初にメンバーが自由にイラストを描き、それを使いながら自己紹介をしました。それから討論を始めました。始めは司会が発言を促しながらの進行でしたが、次第に複数の外国語を話せる生徒を中心に話題が無数に出てきて、司会が討論をまとめるのに苦労するほど討論が盛り上がりました。
 討論が終わって宿舎へ帰るバスの中では、すでに3か国の生徒同士で盛んな交流が始まっていました。明日からがとても楽しみになる1日でした。

2018年7月30日(月)天気:快晴
 朝、だいぶ緊張のとれた様子の生徒たちがバスに乗り込んで東北師範大学へ向かいます。今日の午前中は、東京大学への留学経験を持つ東北師範大学副学長の韓東育先生による「前近代東アジアの礼争」という講義を受けました。朝鮮通信使と徳川光圀の往復書簡を中心に、江戸時代以降の日本が中華文化圏の中で他国と対等もしくは上位になっていく様子を学びました。まとめで韓先生は「中日韓3か国は兄弟のようなもの。これからの平和をつくるためにここに集った青年たちには協力しあってほしい。」と結びました。
 午後は、満州国皇帝溥儀の宮殿(中国では偽満皇宮博物院と呼ぶ)へ行きました。宮殿は一見豪華に作られていますが、北京の故宮とくらべてはるかに狭いです。そのような宮殿でどんな思いを抱いたのか、溥儀の気持ちに思いを馳せました。
 夜はグループ討論。今日のテーマは「三国共通の歴史・文化・伝統」です。もう充分に打ち解けた3か国の生徒たちが協力して自分たちの共通項を探していく様は、未来の東アジアに希望を持たせてくれるものでした。

2018年7月31日(火)天気:快晴
 今日の午前中は日本側にとって気の重いフィールドワークになります。長春からバスで約2時間走ったところに遼源という都市があります。そこは満州国時代に日本が鉱山を経営していた場所ですが、当時過酷な労働で多くの中国人労働者たちが命を落とし、「万人坑」と現在呼ばれている墓穴に次々と埋められていきました。そこから発掘された無数の人骨とそれに関する資料館を見学しました。みんな無言での静かな見学となりました。
 午後は長春市内に戻って、南湖公園で記念撮影した後、隣のショッピングモールへ買い物に行きました。中国の大型スーパーで生徒たちが日本へのおみやげとして何を買ったのか、乞うご期待。
 夜は最後の討論です。今日のテーマは「植民地時代遺跡の保存問題」。震災遺跡同様、見る人によって受け取り方の違う遺跡を壊すべきか、残すべきか。とても難しい問題ですが、3か国の生徒たちは最後まで協力して答えを見つけようとしてくれました。

 明日はいよいよキャンプ最終日。今回のキャンプは生徒たちの心に何を残してくれるのでしょうか?









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