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2016年02月05日

第42回立命館宇治土曜市民講座

1月30日(土)、第42回立命館宇治中学校・高等学校土曜市民講座を開催いたしました。
今回は「器は料理の着物」をテーマに、伝統工芸士 伊藤南山氏にご講演いただきました。

伊藤氏は、京都市泉涌寺地区に窯を構え、茶道具をはじめ、幅広い作品を作っていらっしゃいます。今回は、伊藤氏の作品の写真をモニターで拝見するだけでなく、お持ちいただいた茶碗の数々に触れながら、お話を伺うことができました。

まず、京焼きをはじめ、ご父君の後を継いでから、新たに始められた色鮮やかな交趾焼や白泥を搾り出しながら素地に文様を描く「いっちん」などの技法について、実際の作品を示しながらご説明いただきました。そして、伊藤氏が若い頃から積極的に出向いていたフランスの展覧会や見本市でのエピソード、近年経営に携わっていらっしゃる、割烹料理店がハワイに進出された際のお話などをご紹介いただきました。海外へ積極的に飛び出して行く伊藤氏のフットワークの軽さと現地での様々な体験談に、会場では感嘆の声が漏れていました。

また、伊藤氏は、「器は使われてこそ生きる」と主張され、身近な例として、ご自身で作られた美しい器に、コンビニで購入した惣菜を盛り付けた写真を多数示してくださいました。ありふれたコンビニ惣菜が、伊藤氏の器に盛り付けられた途端、料理店で出されるような、食欲をそそる一品に様変わりします。まさに、「器は料理の着物」であり、「料理が絵になる」ことを実感することができました。

いい土がとれない京都で、これだけ焼物が発展したのは、やはり、古くから文化の中心都市であったからだと伊藤氏は言います。茶道や華道といった伝統文化の中心であり、西陣織をはじめとする伝統産業が多く根付く京都だからこそ、そうした他分野同士の交流から、洗練された作品が生み出されていったのでしょう。「京焼・清水焼の原材料は、土ではなくて、文化である」そして、「文化に携われる人が原材料であり、キー(鍵)になる」とおっしゃる伊藤氏は、まさにそれを体現されている方でありました。

この度の講座も、沢山のお客様にお越しいただきました。深く御礼を申し上げます。来年度の土曜市民講座にも、ぜひ足をお運びください。

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